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モダンガールと大正末期~昭和初期を ひたすら追ひ掛ける淺井カヨです。
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「モダンガール」 撮影 川原律子氏
第3回 フォトコンテスト《ろまん》 【パラマウントベッド(株)賞】受賞作品

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連載第13回「週刊モガ」竹久夢二の所へ行つたのかと思つたよ!

御無沙汰致して居ります。
日本モダンガール協會淺井カヨです。

今回は「月間モガ」と成つてしまひましたが、
今週の「週刊モガ」を始めたいと思ひます。

「竹久夢二の所へ行つたのかと思つたよ!」
云ふ言葉は、師走に活動倶楽部
(昔の映畫上映會)へ
久し振りに顏を出した時に、
80代の會員から云はれた言葉であります。

活動冩眞を觀た後に會員の方々と
歌ひに出掛けたのですが、
全員が見事なまでに
昔の曲しか歌ひませんでした。
30代から80代まで、
9人程いらつしやつたかしら。

80代のご老人とアベックで
「旅の夜風」を歌ひまして
感無量であります。
ご老人も非常に喜んでいらつしやいました。
因に其の日に皆さんが歌つた曲は、
下記の通りです。

新雪、黒百合の歌、無情のブルース、上海歸りのリル、
東京の花売娘、花言葉の歌、何日君再來、なつかしの歌聲、
旅の夜風、上海の花売娘、三百六十五夜、星影の小径、
かへり船、弥太郎笠、高原の駅よさようなら、東京ラプソディー、
勝利の日まで、港が見える丘、上海の街角で、愛國の花、
月月火水木金金、雨の屋台、街のサンドイッチマン、等々であります。

前回の更新が12月19日ですから、其の後本日までに
色々な所へ出掛けました。全部詳しく書けませんので、
一寸、羅列してみます。モガと戰前に關した動きだけを中心に記します。

九段會館(鳥肌実氏の全国時局講演会を
ホールにて聞きました。)
弥生美術館(樺島勝一展、素晴らしい插繪畫家であつたと
改めて思ひました。)
竹久夢二美術館(「紙治之圖」が初公開されてゐました。)
大正・昭和レトロ舞踏會(お招き戴きました。)
新宿歴史博物館(昭和初頭の展示が非常に充實してゐて
驚きました。)
庭園美術館(1930年代、東京 の企劃展。とても良かったです。
次囘の「ポワレとフォルチュニィ展」は、關東のモガで行かなかつたら
モグリヨ。)
皇居・新年一般參賀と靖國神社初詣
名古屋市博物館(日本の絵葉書 1900-1945 
絵はかきは想ひ出にみちてゐる 展。3月1日まで。
お近くの方は是非お出掛け下さい。入場無料です。)
セピア倶楽部(5年位通つてゐる下北澤の美容院です。
遂に向かひの露崎商店(昭和12年)が取り壞される事に成つたさうです。
跡地にビルヂングが建つさうですが、今後其れを見ていくのは辛いので、
今春で美容院を變へようかと思つて居ります。)
NHK放送博物館(SP盤で聴く名歌手たち、第19回松原操特集を
聽きました。)
昭和のくらし博物館(住宅街の中に佇む一軒家。昭和のくらしを
日々探究してゐる私にとつては、參考に成る點が多く有りました。)
昭和館(展示を觀たり、音源を聽いたりで、一日樂しめる場所でした。)
▲Fレコード社の社長から、パワーアップしたわね!
と云はれて嬉しかつたです。)
銀座パウリスタでブラジルコーヒーを飮みました。
(略して銀ブラ。)
飮めないコーヒーを2杯も飮んだら、電氣ブランよりも強かった、、、。
ライオン銀座七丁目店で大正の會(此の日は誕生日でした。いつまでも
年齢不詳で居たいと思ひます!)
同窓會(久し振りに、高等學校の同級生と會ひました。
支拂ひで10圓硬貨を出すのに間違へて
1錢硬貨を出してしまひ、級友に笑はれました。
10圓と大正時代の1錢は似てゐるのよねエ。(←1錢を財布に入れるな。)
淺草某所(2日かけてのテレビジョン撮影が有りました。
3月7日放映。私も一寸出ます。詳細は後日公表いたします。
モダンガールのファッションの
コーディネイトもやつてみました。お樂しみに。)
LiveCafe Again(SP講座。戦後のコミックソング特集でした。)

「大正・昭和レトロ舞踏會」のお話を少しだけ致します。
着飾つた紳士淑女のめくるめく世界にややたぢろぎながら
見物して居りました。淑女らの前を通り過ぎた後に、
「何かレトロな感じですね。今、行つた方。」
なんて云はれたりしました。

3メートル位先に坐つていらつしやいました
姿勢の良いきれいな女性が氣にかかりました。
赤いドレッスに髪はフィンガー・ウェーブ、黒いストッキングに
つい見とれてしまひました。私は
S(エス。シスターの略。)でも、同性愛者でもございませんが
モガの綺麗な女性を見かけるとつい見とれてしまひます。
其の方とお話する機會があつたので色々伺つてみますと
去年の与野での「大正時代まつり」にいらしたと
仰るではありませんか。
しかもモガのポスタアをご覽に成つて出掛けられたと。
嗚呼、いと嬉や。其の女性は、ステエジに立ち
唄に當時風の科白に戰後の明るいモガと云ふ感じの
表現でなかなか素敵でした。

舞踏會の歸り、會場でお話をした黒い蝶ネクタイの
70代の紳士と偶々同じ方向だつたので
バスと列車にて途中までご一緒いたしました。
ダンスの話に始まり、
安城家の舞踏会と云ふ
映畫を觀ると、戰前のダンスホールの感じが
わかると云はれました。

當時のモダーン生活に就いても
伺ひました。

關東大震災の後に、所謂ホワイト・カラー層が
中央線沿線に多く移り住んだと云ふこと。
當時の中産階級は60~70坪位の家を買ひ、
玄關を入つてすぐの所に応接間があつた事。
(南に面した家ならば、大抵右側。)
応接間には、細長い窓が有り応接間セットがあつた事。
さう云ひ乍ら、「あの応接間が懐かしい。」
列車に揺られながら、ご老人はつぶやいてゐました。

此の話を聞いた後に、新宿歴史博物館へ
參りましたら正に玄關のすぐ横に応接間のある
住宅が再現されて居りまして、此れかアと思ひました。
和洋折衷の住宅であります。

此の地域は、他から移り住んで來た人間が多く
共同體の縛りがないと云ふことで、結局モガ・モボも其処から
多く出てきたのではないのか、と老人は語つてゐました。

中産階級の夫は、舊制中學以上を出て、
妻は舊制女學校を出たのではないか、
荻窪邊りなら專門學校や師範學校以上を
出たのではないか、
受驗勉強が始まつたのは大正末期ではないか、
とお話されてゐました。

もしも私が興味を持つてゐなかつたら、
此の老人からお話を聞くことは
出來なかつただらうと思ひます。
もしも一人でゐる時に
携帶電話の畫面に夢中に成つてゐたならば、
老人の存在にすら
氣が附かなかつたことでせう。

今度は別の方から聞いた當時のお話です。

私より50歳年上のF醫師の元を訪ねました。

都内某所で靜かに暮らすF先生の自宅を訪れると
都心だと云ふのに、非常に靜かで
まるで歐羅巴の片田舎の家を訪れてゐるやうな
錯覺に陷ります。お話を色々羅列してみます。

蓄音機のクレデンザが置かれた名曲喫茶は、
都内に三箇所あつたのださうで
日本橋のダット本郷のポーラリス
そして神保町の田園だと
云ふことでした。本郷のポーラリスに
よく通つたと云ふお話を聽きました。

興味深かつたのは、昭和12、13年頃に觀たと云ふ
ムーラン・ルージュのお話でした。
ムーランルージュは、インテリ層向けの
喜劇(又は輕演劇)だつたさうで、
其の中に世の中を斜めに見た
諷刺的な所があつたのだと云ふことです。
然し乍ら、誰が出てゐたのか、
どんな内容であつたのか、と云ふのは
良くわからないのだと仰つてゐました。

F先生はよく、今は無き近代建築の
「熱海ホテル」の話をされますが、
冩眞を見せて戴くと、溜息が出ます。
「好きでしよ。」と云はれました。

戰前の獨逸料理店は、ローマイヤーケテルス
云ふ店があつたのださうで、
ローマイヤーでは、三分の二が外國人だつたさうです。
昭和10~15年位のお話だと云ふことです。
獨逸料理のエルプセンズッペと云へば、えんどう豆のスープ。
戰前のレストランは、他にもラスキンホール、資生堂ダイニングなどがあつたと
お話されてゐました。
矢張り戰前のホテルと云へば、帝國ホテル。
料理人の修行は、
ニューグランド系が、肉料理に強く
東京會舘系は、魚料理に強かつたさうです。

戰前は、皇居前ではなく
宮城(きゅうじょう)前と云つたさうです。
ある女性に
「あちらが宮城(きゅうじょう)ですよ。」
と云つたら
「私、巨人好きなんです!」
と言はれた、と話をされてゐました。

東京驛八重洲口にあつたと云ふ
「庄司」と云ふ入浴施設では、入浴前に
脱いだものを施設で渡すと、
下着だけがクリーニングされて
出た時に戻つて來た、
とお話されてゐました。
戰前に、此の樣なサアビスが
あつたと言ふのは面白いお話でした。

F先生のお父樣は、明治21年生まれで、
所謂戰前のマイホームパパだつたのださうです。
冩眞を拜見しましたら、中折れ帽に、丸眼鏡、ステッキに、
チェスターフィールドコートと言ふモダンな裝ひでした。

戰前の高原列車で、其のマイホームパパのお父樣は
一寸用足しにと、ひよいと列車を飛び降りたかと思ふと
暫くしたら走つて列車に追ひついて來て
其のまま列車に飛び乘つて
來られたのださうです。
今では全く考へられない話であります。
其の高原列車は可也スピードが遲くて、走つたら追ひつく位だつたと
お話されてゐました。何て、のんびりした時代だらう!

話は變はりますが、車に乘らないのは
「車夫馬丁の輩に成つてたまるか。」
と云ふ人がゐた、と云ふのも
何だか面白いなと思ひました。

此處に記した事柄は、ごく一部でありますが、
F先生の話は面白くて
ついついまた長居させて戴きました。
また旅から戻つたら
お話を伺はうと思つて居ります。

先日三越へ參りましたら、
またまたモダンガール的な
輸入品の帽子を幾つか見つけました。
目深に被る形で、
紫色、若緑色などもあつて、
うまく洋服とあはせれば
可也雰圍氣のあるモガのファッションが
出來ると思ひます。

モガの流行色は、とある本にも有りましたが

若緑、
金泥色、
朱、
アプリコット、
紫、
コバルト、
等であります。

三越の帽子は、當時の流行色を
使つてゐて良くわかつてゐるなあと
感心致しました。

色と云へば、

戰前の美爪料の色。

カラレス 無色
ナチュラム 淡紅
ローズ バラ色
ルーヂ 紅色
グラネット 濃桃
ピンクパール 桃色眞味


戰前の美爪料の原材料が何であつたのかが、
研究中の事柄であります。

「週刊モガ」
の草案は、以前にも申しましたが
基本的に全て外部で
認めて居ります。
此れが自宅ですと面白い位に
進みません。
何しろ自宅と云ふのは、
自分にとつて大事であるものだけが
存在してゐる箱の空間なので、
文章を書いて現状を何とかしてみようと云ふ
氣が全く起こらなくなつてしまふのであります。

しかし、外部ですと自分の好きな樣には
絶對にいかないので
好きなやうにどんどん書けると云ふわけです。

年末に出掛けた忘年會で、
鍋料理が出たのですが
其れが土鍋ではなくて
アルミ鍋だつた事に大變驚きました。
安價な店だつたわけではありません。
此れでは鍋料理の醍醐味が
味はへないなあと思ひました。
さう云ふ生活の中での違和感の一つ一つが
文章を書かうと思ふ力に
なつてゐるのかもしれません。

今囘は、久し振りの更新なので
長くなつて居りますがそろそろ纏めに
入ります。

2月下旬に、S縣S市から、約2年振りに
杉並區へ戻る事に成りました。

「週刊モガ」では、皆樣の私生活に
關はる事は書かないやうに
細心の注意をはらつて居る積りですが、
自分自身に關する事は出來る範圍で
出さうと思つて居ります。

引越しにあたり、モダンガールの
偽名刺
を作る事に決めました。
當時のモダンガールの間では、
偽名刺を持ち歩くのが一部で流行つたのです。
以前、或る方に紹介された
活版印刷の印章屋を訪ねました。
昭和初期の建物で、店主も戰前生まれでしたから
すぐに打ち解けて、話が彈みました。
「東京市杉並區」で名刺を
作りたいと申しますと、
店主は、舊漢字を取り寄せるのに時間が掛かるけれど
よいかと尋ねるのでした。
店主は、小唄勝太郎が好きで、
私は豆千代の曲が好き、
などと云ふお話を、世代を超えて
出來るのは嬉しいものです。

「貴方と話してゐると、80年前に戻つた氣がする。」と、
私にとつては大變な襃め言葉を、店主から戴きまして
店を後にしました。
戰前の文化を探究し、其の時代から
生きてきた方々と少しでも共通の話が出來ると云ふのは、
一つ外國語を覺えたと云ふのと、良くも惡くも
一寸だけ似てゐるやうな氣が致しました。

引越しの準備は、ほぼ終はりましたが
これから夜間飛行にて、暫く亞細亞某國へと參ります。

來月は、旅先からの更新に成ると思ひます。
旅から戻つたら、すぐに引越しと云ふわけです。

取り留めのない話が續き恐縮ですが、此の邊りで
今週の「週刊モガ」を終はりたいと思ひます。


其れでは、皆樣おげんきで。

日本モダンガール協會・淺井カヨ

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自己紹介
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  淺井 カヨ
性別:
女性
自己紹介:
日本の大正末期から
昭和初期の
モダンガールと、
同時代を追ひ掛けてゐます。

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