淺井カヨの 個人ブログです。 ©️KAYO ASAI
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 撮影:Mさん

連載第18回「週刊モガ」 シマウマ水着、蘇る!

shibaraku gobusataいたしました。
sonogo いかがお過ごしでせうか。
日本モダンガール協會淺井カヨです。
すつかり秋ですね。

先日、葛飾區柴又で開催されました
「第五回大正ロマン・柴又宵まつり」
「なりきり假裝行列」と「なりきり假裝コンテスト」に
出場致しました。
昨年は、日本大正村(岐阜)での
講演會に參加して居りましたので
1年振り、3回目の出場でした。

過去2回は、モガの普段着で
そのまゝ出場したのですが
(1人假裝行列と云はれる所以でもあります、、。)
今年、初めて假裝に挑戰致しました。
考へてみれば、今までに數多くの
大正の催事に出演致しましたが、
普段着ではない出場自體が
全く初めての體驗であります。
(そんな人、他に居るのか・・・?)

初めてご覽に成つた方は、
いきなし水着姿の中年女が目の前に現れて
吃驚されたかと存じますが、遂に今秋
大正當時のシマウマ水着
入手出來たのであります!
・・・嗚呼、此の喜びを何と表現して良いのか
わかりません。これを公開しないわけには參りません。
シマウマ水着とは、
明治から大正に掛けて流行した
縞々模樣の水着です。
何年もかけて實物を探してゐたのですが、
やつと本物と對峙出來ました。
(Nさんのおかげです。有難うございました。) 
シマウマ水着は、
時代を表す1つの象徴的なものであると
思つてゐます。和洋折衷で
今見ると何だか面白い形ですが、どこかシュールで
どこか、かなしい。樣々な感情が
當時の冩眞を見てゐると膨れ上がつて來ます。

今回、袖無しのシマウマ水着(綿製)が入手出來ましたが
いつか半袖のシマウマ水着に巡り合ひたいものです。
本物に巡り合へなければ、復刻版を
作る事を考へてゐます。紅白のシマウマ水着に
束髮の鬘を被り、當時の再現をしてみたいものです。
すぐには無理ですが、大正百年までに
やつてみたいことの一つであります。

さて、大正ロマン・柴又宵まつりでは
後頭部を青く剃り、いつもの斷髮にして
當時風の化粧を施し、當時の水泳帽の樣な形の帽子に
シマウマ水着と腰に手拭を卷き、
(手拭を卷いてゐた當時の冩眞をよく見かけました。)
當時のモダンな腕時計に
浮き代はりの木(明治の木です!)を持ち、
下駄、和傘、極めつけは
戰前の乳バンド(!)と云ふいでたちでした。
殘念乍ら、此れは見せられませんが
非常に平面的な形の物です。馴染みの
古道具屋の女店主が此れは淺井カヨさん以外に喜ぶ人は

まづいないだらう、と 入手して呉れました。
有り難い事です。
因に私は、身長も體型も當時の日本人女性に
近いので、水着も下着もぴったりでした。
冩眞資料などを基に、獨自の解釋も加へまして
當時の雰圍氣の片鱗位は出せたのでは
ないかと思ひます。
これで、やつとシマウマ水着界の
入口に立てた氣が致します。
(そんな業界が或るのかは、謎です。)

假裝行列をしてゐる途中に「これ何でせうか。」と
聞かれて答へたり、
(昔の水着である事を 知らなかつた方々も
何人かいらつしやいました。)
樣々な質問をされたので、歩き乍ら答へました。
親が子に「あれは昔の水着よ。」と
説明してゐたのを聞いて、良かつたなと思ひます。
御爺さん達の反応が一等良かつたのでありますが。

沿道から突然、「かつこいいよ!」と云ふ
大きな聲援を送られ、感謝、感謝。
柴又の商店街を素的な書生さんの
ヴァイオリン演歌に合はせて、
シマウマ水着で堂々と闊歩出來るとは
何と樂しい事でせう!私にとつては忘れ得ない
夢のやうな時間と成りました。

さて、假裝行列が無事に終はつて特設會場にて
假裝コンテストが始まりました。

出場前にお腹が空いてゐたので
定食屋にて、「カツ丼」を戴きました。
「これからコンテストなのでカツ丼を戴きました。」
と相撲中繼を見てゐた定食屋の女將に傳へると
「ホゝゝゝゝ。」と女將は笑ひ、私もつられて
「ホゝゝゝゝ。」と笑つたりして、長閑な風景でした。

過去2回運良く優勝させて戴いたので、
さア、今年はどうなるか!?と思ひましたが
今年は、準優勝を戴きました。
優勝した方はグループで、配役も設定し
せりふも披露されなかなか凝つた演出をされてゐました。
舞臺裏で交流出來た事が、嬉しかつたです。
友人も驅けつけて呉れまして、感謝です。
樣々な方々がいらつしやいましたが、
來年はもつとたくさんの方々が參加される事を願ひます。
今年は「大正野球娘」と云ふ漫畫映畫の聲優をされてゐる
方も司會で、ファンも大勢いらつしやいました。

コンテスト出場者の方から、
「もしかして、冷藏庫に氷を
入れていらつしやる方ですか!?」と
尋ねられたので、思はず笑つてしまひました。

と云ふわけで、大正ロマン・柴又宵まつりでのお話でした。
當時のシマウマ水着を見てみたいと
云ふ殊勝な御方は、平成21年10月24日(土)
埼玉縣にて今年も開催されます
「大正時代まつり」に是非いらして下さいまし。
冩眞とはまた違つた組み合はせで
出場いたします。改めてまた告知するでせう。
冩眞コンクウルも開催されますので、是非
カメラを持參して樣々な大正人を收めて下さい。
因にこちらは去年のポスタアです。私を
見かけたら「週刊モガ」を見たと云つて戴けたら
喜びますので、是非聲をお掛け下さい。
お待ち申してをります。

 撮影:Mさん

何故、催事に出るのかと云ふと
大正時代や日本の戰前に興味を持つ
きつかけの一つに成つてほしいと切に願ふからです。
大正時代と言ふのは日本の歴史の中でも、
親しみやすい事物が多く、
入りやすいのではないかと思ひます。
現代日本だけが、自分を取り卷く世界では決してなく
私達は長い歴史の流れの中で生きてゐます。
素晴らしい先人達に思ひを馳せ、
其れが生きる活力に成つて
いくのではないかと思ひます。
個人的な趣味で、大正を求めてゐるのなら
此の樣なイベントにも一切參加しないでせうが、
其れは私の目指してゐる方向ではありません。

單純に、「あの水着、面白い!」と
一般の方々に少しでも思つて戴ければ、
參加したかいがあつたのではないかと私は思ひます。
まア、やつてゐる本人が一番面白いのでは
ありますが、、、。

明治44年生まれ(御歳98歳)の近所の元氣な紳士が、
「人間は面白くなければ、前進しない。」
笑顏でお話されてゐました。

「70歳に成つたら、面白い。
80歳に成つたら、もつと面白い。
90歳に成つたら、たまげる程面白い!」のださうです。

さすが、明治の御方です。
素晴らしい御言葉であります。

近所繋がりで、幾つかの小話をしませう。
骨董屋と古本屋と個人商店の多い
町で暮らして居りますが、ある時初めて、
知らない古道具屋の前を通りかゝりました。
白髮をポニーテールにした男性の店主が一人、
店先に佇んでゐました。

「あんた女優さん?上から下まで揃へられるとネ。
まだ30代でせう。タイム・スリップしたみたいだね。」と
店主は私をまじまじと見て、つぶやきました。

薄暗い店内へ足を踏み入れると、
山と積まれた骨董品の脇に細い道がありました。
大變な數の古道具や骨董品があつて、
きよろきよろ眺め乍ら少しづつ進みました。
奧の方は足の踏み場もないので、立ち入れず
遠くからしか見られません。店主に尋ねました。

淺井カヨ 「此の邊りは、いつ片附きますか?」

店主 「多分、永久に無理ですね。」

と、眞面目な顏で店主は私の質問に答へるのでした。

「帽子はありますか。」と尋ねると、更に奧の方から
ハット・ケエスを山と積んで持つて來ました。
たくさんの中から、ベル・メゾンの古ぼけた
大きなストロオハットを贖入して店を出ました。

お話は變はつて、或る日のことです。
首に發疹が出來て何箇月か直らなかつたので
近所の病院へ行かうと思ひました。
病院は苦手で、餘程のことが無い限り
行かないのですが、これ以上放つて置くわけにも
いかないので、黒電話のダイヤルを廻し
病院に電話をしました。
留守番電話のこんなメッセエジが流れました。

「ピーッ。院長が體調不良のため休診してゐます。」
・・・。

別の病院へ行つて、皮膚藥を調劑藥局で貰ひ
3日位で殆ど治り、1週間もすれば跡形もなく消えてしまひました。
久し振りに現代の藥を使ひましたが效き過ぎる藥と云ふのも、
一寸怖い感じが致します。

またまた近所でのお話。
馴染みの印度料理店で食事をし、
一萬圓を差し出すと印度人の
店員がおつりを聲に出して、數え始めました。

「ご、ろく、しち、はち、なな・・・。」

それを聞いてゐた別の印度人が笑ふので、
店員も私も一寸笑ひました。
(因にお釣りはちやんと戻つて來ました。)
その印度人のはにかんだ笑顏が素的でした。

近所の話は取りとめもなく續けられますが、
此の邊にしまして最近考へてゐる事などを記して
おしまひにしませう。

「あんたなんか全然モガぢやない。」
と云はれたとしても、
慥かに私は當時に生きてゐないので、
モガぢやないよなア、と思ふことでせう。
事實を言はれただけなので、
全く腹が立つたりしないのであります。

逆に「あなたこそモガだ。」と云はれたら、
その人がさう思つて呉れた事なので
なるほど、と思ふだけで其れで有頂天に
なる事もないでせう。

結局、誰が否定しても肯定しても
それが事實であれば、事實を言はれたので
さうだなア、と思ふだけで、
事實でない事を言はれたら、
其れは本當であるので、またしても
さうだなア、と思ふだけです。

此處ではモガと書きましたがどんな言葉でも
或程度當て嵌ると思ひます。
自分を疑はず完全に自分が正しいと思つてしまふこと程
怖い事はないと私は思つてゐます。
自分の信念、信條は持ち乍らも
常に自分を疑ふ、と云ふ事は
とても重要ではないかと私は常日頃思ひます。

多樣な價値觀を認めず怒りの攻撃をする事は
愚かです。攻撃する時には、大抵誰もが
心地よい穩やかな氣分ではありませんので、
結局は、本人が損をします。私は
自分が如何に缺けてゐるか、 失敗をするか、
至らなさを知る樣に成つたので、
他人を批判する資格は有りません。それが
わからなかつた時分には、
感情的に他人を批判をした事もありますが、
如何に自分にとつても他人にとつても益のない事で
あつたかが、やつとわかりました。

正し、自分の意見をはつきり傳へる事は必要です。
特に何かをより良くする爲に必要なことはあります。
怒りの氣持ちは持たず、淡々と、
然しはつきりと傳へ度いと思つて居ります。

他人が怒つても、それはその人の生き方ですが、 感情的に
怒る人は、他人よりも自分の身體を見えない所で
相當深く傷附けてゐます。
他人を傷附ける前に、自分の身體が
如何に深刻に傷附くかを理解してゐない人が、 現代人には多いと私は感じます。
一寸したイライラでも、
身體を破壞する元に成つてゐると云ふ事ですから
他人への怒りの攻撃は、
自ら病氣の種を身體に埋め込む樣なものです。
常に怒りを持つた生活を送れば、
現在症状が出てゐなくても
近い將來、必ず身體に現れます。
目に見えない事ですからそら恐ろしいのです。
怒りを原動力に生きれば、
その怒りがやがてその人自體を
破壞し盡くすでせう。

もしも、私が現代生活への怒りを
基にしてモガの活動をしてゐるのなら、私自身が
一番最初に「壞れてしまふ」だらうと云ふことです。
「現代の此處が、絶對に駄目だ!」と
云つてゐる譯では決してありません。
絶對に駄目だと云ふのは、
單なる執着に過ぎません。
新しい物は否定しないで、まづはよく知る事が重要です。
世界には何十億と云ふ人間がゐます。私の
意見など缺けた砂粒位の小さなものに過ぎません。
然しその砂粒は、決して同じ形のものは
なく、いづれはなくなつて未來永劫、
同じ形のものは生まれません。

誰でも、代わりは居ないのです。

「モダンガールつていいなア。
・・・嗚呼、憧れるなア。考へてゐるとわくわくする。
一寸でも近附けたらいいなア。」と思ふだけです。
拘りを捨てていくと、
肉體的には老化していつても、
氣持ちは一日一日が若返つていくのです。
此れほど樂しい事はありません。
例へば、他人には殆ど理解されぬ
(人樣の笑ひの種にでもなれば本望です。)
生活上のお話は、
「短い人生を如何に樂しく過ごすか」と
云ふことであつて、決して「拘つてゐる」
わけではないのです。
生活を見て、「この人拘つてゐるなあ」と
思はれるかもしれませんが
「如何に拘りを捨てていくか」
と云ふことが私の目標の一つでもあります。
拘つていけば、雁字搦めで辛くなり
結局は自分を僞る生き方に成つていきます。
他人を蹴落とすと云ふことすら考へかねません。

わくわくしたり、樂しいと思ふ時と言ふのは、
目から鱗が落ちる樣な、自分にとつての
新しい價値觀、考へ方、事柄に觸れた時です。
さう云ふ物は、歴史の中に落ちてゐる事が
多いのですが、私にとつては戰前の日本に
大きなヒントがあると思つてゐます。
本を讀んだり、人と話したり、公演へ出掛けたり
旅へ出た時に感じたり、樣々です。
現代のものから得る事も多いです。
自分を取り卷く小さな世界だけが
全てだと思つて、まだ若い人が絶望して命を絶つてしまふ、
と云ふことほど悲しい事はありません。

第三者の意見(マスコミも含め)を
そのまま鵜呑みにする、と云ふのは
自戒も込めて本當に馬鹿げた行爲であると思ひます。
身近なあの人がさも眞實の樣に云つてゐたから、
新聞社や雜誌が書いてゐるから、
有名な人が言つてゐるから、其れを
そのまま何の疑ひもなく取り入れる事は
己の頭で考へてゐないと云ふことです。
特に、何度も同じ事を聞いてゐると
人は嘘が眞實の樣に思へてしまひます。
若しも周りに、人の足を引つ張る事許りの
惡意の有る噂を話す人が居たら、
その人はさう云ふ風に物事や他人を狹い範圍で
捉へるのだなあと淡々と觀察して
それに同意しない事です。

これから、本當に大變な時代が來ます。

戰前から、日本を解體しようとしてゐる人達が
どつこい現代に生きてゐました。
かつて日本を國家として認めず、
日本の獨立に反對だつた人々がゐました、、、。

一人一人が何が出來るのか自らで情報を收集し、
考へ行動する時代に入つたと云ふことです。

「知らなかつた」では、もう濟まされません。 手遅れになる前に、、、。

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と云ふわけで、最後は私の意見を述べましたが、
今回はシマウマ水着のお話を中心に
お話しました。
幸ひお氣に召しましたら嬉しく思ひます。

それでは、次回また元氣にお會ひしませう。

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御免遊ばせ。 日本モダンガール協會・淺井カヨ

自己紹介
HN:
淺井カヨ
性別:
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自己紹介:
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