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モダンガールと大正末期~昭和初期を ひたすら追ひ掛ける淺井カヨです。
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母が遺した雛人形

平成22年、雛の節句が今年も終はりました。私にとつて
今年の雛祭りのことは、生涯忘れる事のない記憶として
心の中に深く殘る事でせう。
 
2月27日夜、故郷の母が急逝いたしました。
享年68歳でした。
 
誰でも母親に特別な感情を持つてゐるものだと
思ひますが、私にとつても其れは同じ事で、
此の世にたつたひとりのかけがえのない母でした。

突然いなくなつてしまつた現實に、
此れから少しづつ、少しづつ日常生活の中で慣れて
いかなければなりません、、、。
 
母の死因は、腦溢血でした。
父が救急車を呼びましたが、手遅れでした。
 
亡くなつた當日の夜もいつもの樣に、
母は自宅で父と一緒に食事をして居りました。
 
母が居なくなつた家の冷藏庫には、
2月27日に母が書いたメモが
貼られて居り、カレンダーには3月まで
びつしりと豫定が書き込まれて居りました。
母が干した洗濯物は、
まだ乾かないで部屋に掛かつた儘で、
いつもの上着や帽子は其のまま部屋に
無造作に置かれて居りました。
 
物音もしない靜まり返つた部屋に、
變はりない母の日常の光景が
其のまま殘つて居りました。
 
もう動かない母の顏は、
本當にまるで眠つてゐるかの樣でした。
 
此のウェブログをいつも見て戴いてゐる
方々の中で、私の母と會つた事のある方は
殆ど居ないことでせう。然し乍ら、私にとつて
生まれてから尤も大きな存在は
母であり、離れて暮らす樣に成つてからも
忘れた事は有りません。
 
母は、花や繪や音樂や樣々なことが好きでした。私は
三姉妹の末つ子で、母の影響を強く受け
とても可愛がられてをりましたので
幼少の頃から、本當にお母さん子でした。時々、實家へ戻ると
一緒に色々な所へ出掛けて居りました。私を見て、
「あんまり派手な格好をしてはいけないよ。」と
云ふことがあつても、母は私をいつも暖かく見守つてくれました。
 
在所の祖母から贈られた雛人形を
母は持つてゐました。私は
幼少の頃から、其の雛人形がとても好きで、
雛の節句を毎年一等樂しみに致して居りました。
 
母は、雛の節句に雛人形を出さなかつた事は
今までに一度たりとも有りません。
7段の大きな昔の雛人形でしたから、
出すのも仕舞ふのも大變だと思ふのですが、
姉妹が結婚をして家を出てからも、
缺かすことは有りませんでした。
 
今年も雛祭が近附いて來たので、
「お母さん、今年も雛人形を出すの?」と
電話を掛けようとして、何となくやめてしまひました。
また近い内に電話をすればいい、と思つたのです。
母と最後に電話で話したのは、2月中旬のことでした。
 
母は、2月24日に今年も雛人形を出したと云ふ事を
姉から聞きました。
 
2月25日に姉が母の元を訪ね、母は朝から昼の3時までかかつて
雛人形を出したのだと話したのださうです。
 
夜中に母の訃報を電話で聞き、早朝に新幹線に乘り
實家へ參りました。
 
そして、亡くなる3日前に母が飾つた雛人形を前にして、私は
其れまで流れなかつた涙が、堰を切つたかのやうに
溢れ出て止まりませんでした、、、。
 
3月2日に告別式が終はり、3月3日に父と雛人形の前で
父の好きなライスカレーを作つて、一緒に食事をしました。
 
母の妹と告別式で話をして居りますと、昨年の12月下旬に
母の元を訪ね、貰つた庭の花の蕾が、丁度2~3日前に
綺麗に咲いたのださうです。暖かくなつたからだと思ふのですが、
どうしても母を想はずには居られませんでした。
 
いつかはこんな日が來るかもしれないと思ひ乍らも、
今は心に大きな穴が開いた樣な氣持ちです。私は、
1月16日の誕生日に34歳に成りましたので
母の歳の丁度半分を生きてゐる事に成ります。
 
親を亡くすと云ふ悲しみは、經驗をしないと
わからないと思ひました。
 
御家族が御元氣なら、どうか例へ用事がなくても
電話をしたり、話をしたり、
思ひ附いたらすぐに行動をして下さい。
 

私からの、たつた一つのお願ひです。
 
 
 
それを書きたくて、この文章を認めました。
 

どうか此の拙文を讀んで戴く
御方も、御身御身體大切になさつて下さいまし、、、。
 
帝都へ戻つてからは、忙しく働いて居ります。
好きな音樂に觸れたら、少し氣分が落ち着きました。
今の私は、文化や藝術に救はれてをります。
 

人生は一期一會であると改めて思ひました。 
それでは、次回までさやうなら。
 

                日本モダンガール協會・淺井カヨ
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  淺井 カヨ
性別:
女性
自己紹介:
日本の大正末期から
昭和初期の
モダンガールと、
同時代を追ひ掛けてゐます。

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